クラウン(道化師)に学ぶ仕事能力と愛?!
「更生保護」という冊子の本年5月号に、
『クラウンとつくる笑い』
(NPO法人日本ホスピタル・クラウン協会理事長 大棟耕介先生)
という論考がございました。
少しご紹介させていただくと…、
私の職業が道化師・クラウン(Clown)であることを欧米で話すと、とても驚かれます。
そして、感心されます。
それは、クラウンが様々なアーティストの中で最も難しく、権威ある仕事の一つだからです。
例えば、欧米では芸術学校のトップクラスの生徒がクラウンを目指していることもあります。
よって、しばしばバレエダンサーよりも、オペラ歌手よりも、アーティストとして高い評価を得ています。
実はサーカスの中で、一番の高給取りなのです。
私の考えるクラウン最大の魅力は、マルチ性。
そして、脇役性と逆転能力。
サーカスの中でクラウンは名脇役として大切な仕事をしています。
開演1時間前に会場に着いたお客様を飽きさせないように出迎えたり、開演までに期待感を膨らませたり。
場面展開に時間がかかるときは客席に入って注意をひきつけ、綱渡りなどからわざと落ちます。
ハプニングが起きたら真っ先に飛び出るし、帰りにお見送りをします。
脇役としてその場の一体感をつくり上げ、主役を引き立たせていく重要な立ち位置にいます。
〜
クラウンは「その場に何が必要なのか読み取る能力」、そして「それに対応できる能力」を持っていなければなりません。
〜
(以上、引用させていただきました)
また、大棟先生は、入院している子供たちに接して、
子供の本来の、のびのびした素晴らしさを引き出されているそうです。
クラウンの、人々の心をつかみ、開いてゆき、
人間らしい笑いを引き起こす、愛の思い、愛の技術、日々の研鑽、道具への投資、研究…、
こういうお仕事があり、また、そういう奉仕活動をされている方がいらっしゃることを、
ある素晴らしい方からのご紹介で、本日、学ばせていただきました。
私も、医学生時代、付属病院の小児科病棟に行って、勉強を一緒にしたり、遊んだりする、
ボランティア・サークル(「Kinder Fruend」(ドイツ語で子供の友だち))に入っていて、
子供たちと一緒に勉強したり、遊ばせていただいておりました。
そのときの頃を思い出したのですが、
まったく他人である自分が、病気で入院している子供たちのところに行って、
自然に友達となって、迷惑をかけないようにしながら、
勉強に困っていたら、いっしょに勉強し、
遊びたい子とは、将棋やオセロなどして遊んだりと、
子供たちが何を必要としているかを読み取り、そして、それに対応する能力こそが必要であったと思いました。
まるで道化師のように、入り込み、喜ばせる力が必要であったなーと思い出します。
そして、クラウンの魅力であるマルチ性、脇役能力、逆転能力…、
これは、ほんとうに、政治家にも必要であると感じました。
マルチ性は、さまざまな人の悩み、苦しみ、痛みが分かり、そして、それぞれを解決する能力でありましょう。
脇役能力は、政治家は、あくまで、民間部門を守り、繁栄させる公僕ですから、
主役ではなく、そういうサーバント(奉仕者)として仕事をする上で、
とても大切な考え方、能力であると思います。
そして、逆転能力は、危機こそ、トラブルに遭ったときこそ、まっさきに対応し、治めてゆくことですから、
政治家にとっては、とてもとても必要な能力であると思います。
この論考を読ませていただいて、
菅首相が、被災地の避難所を訪問し、
被災者を素通りして、詰め寄られ、言い訳するシーンが思い出されました。
↓↓↓(有名なシーンですが、もしご存知でない方は、みて見てください、びっくりですよ。)
もし、クラウン(道化師)が被災地の避難所を訪問していたとしたら、
心痛の意を表しつつ、何か笑ってもらえるよう、そして、未来への希望が沸くように、
必死に、仕事をしたと思いますが、
菅首相の態度には、その必死さとか、思いやりとか、励ましとかが、
残念ながら、私には感じられませんでした。
もちろん、クラウンと政治家は違いますが…、
クラウンには、「その場に何が必要なのか読み取る能力」、そして「それに対応できる能力」が必要とされます。
であるからこそ、権威もあり、高級取りなのでしょう。
しかし、政治家も、そして、そのトップたる首相は、権威ある仕事であり、当然、高級取りです。
クラウン以上に、「その場に何が必要なのか読み取る能力」、そして「それに対応できる高度な能力」が必要とされるのは、
当然でありましょう。
この、被災者の方から詰め寄られ、いわば、怒られているシーンからは、
首相の権威など、微塵も感じられませんでした。
また、人として、つらい人々を励まし、いたわろうとする温かいものも感じられませんでした。
やはり、政治屋ではなく、
政治家には、「その場に何が必要なのか読み取る能力」、そして「それに対応できる高度な能力」と、
そして、苦しんでいる人を励まし、いたわれる、本当に温かい心、思いやり、愛が、絶対に欠かせないのだと、
感じさせていただきました。
私も、クラウンの仕事の難しさ、高度さを学ばせて頂き、、
また、菅首相を、この上なく素晴らしい反面教師として、
仕事能力の向上と、心を磨く修行を続けてまいります。
幸福実現党
ほそかわ幸宏
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